アイドル100点

君と同じ時代に生まれてきた僕らはツイてる

青春の宝箱

今日もまた、解散してしまったアイドルに想いを馳せている。

私は、アイドルネッサンスが好きだ。

『アイドルネッサンス

2014年~2018年まで活動した、日本の女性アイドルグループ。

「名曲ルネッサンス」をコンセプトに、新旧の名曲を歌い継ぐ。

 

解散してから6年の月日が流れたが、今も変わらずに好きで、むしろ活動当時よりも気持ちが増しているようにも思う。

 

 

「"17才 It's a seventeen"って歌詞を歌うアイドルがいるよ」と友人から教えてもらった。当時、アイドルネッサンスも17才、私も17才だった。

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17才の動画を初めて見た感想は、「はまりたくないな」だった。今思えば良さに抗おうとしていたんだと思う。このMVを見てから妙に気になってしまい、動画を見漁った。母が若い頃に聴いていた曲をカバーしていて、親子間の話題が増えた。気付けば私は、教えてくれた友人よりもどっぷりとはまっていた。

動画を見て振り付けを練習したり、曲を勧めあったり、誕生日にCDを貰ったり。友人たちと一緒にアイドルネッサンスを応援したことも、私の青春だった。

 

終わりは唐突にやってきた。解散発表。解散ライブは見に行くことが叶わない日程だった。リアルタイムで1年半ほど応援していたが、一度も生で見ることがないまま、アイドルネッサンスは活動を終了してしまった。

もっと歌ってほしい曲があったし、彼女たちからもっといろんな名曲を教えてもらいたかった。彼女たちの「伝えるパフォーマンス」が大好きだった。せめてもう2ヶ月だけでも活動してほしかった。まだ同じ鮮度で悲しいし、悔しい。彼女たちが新しい曲をルネッサンスすることは、もうない。

 

今もずっと悲しいけれど、だからこそこんなに長く想っている。あの時の形のまま、時間が閉じ込められたまま、ずっと心の中に煌めく存在でいる。アイドルネッサンスの動画を見る時は、青春の宝箱を開けるような気持ちがする。17才の頃、もがきながら頑張っていた自分と、アイドルネッサンスのことを重ねて思い出す。

 

中でもデカ感情を募らせるのが、「前髪が揺れる」というミニアルバム。それまでカバー曲しか歌ってこなかったアイドルネッサンスだったが、このミニアルバムは、初の全曲完全オリジナル。小出祐介Base Ball Bear)が全ての作詞作曲を手掛けた。全曲が名曲で、宝物だ。

どれも宝物だけれども、この曲は特別好きだ。「前髪」

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これだけでもいいから聴いてみてほしい涙

発表された当初から好きな曲だったが、聴けば聴くほど歌詞の解像度が上がっていく。年を重ねるごとに、歌詞の意味が分かるようになってきた気がする。歌詞空で写経できるくらい好きで、大切な曲。

決まらない前髪を また風が乱していく

いつまでも私たちきっと 決まることなんてないんだろう

 

文集に載せた将来の夢は 急いで作ったおもちゃみたい

でも透き通ってる

飛行機雲のように 見送った最後のシュートは

思い出すとまだ ちくっとするよ

でも透き通ってる

 

歯の矯正つらかったけど やってよかったな

何かが変わる時は分からないもの

後から気付くよ 青いトンネルの先で

 

自分になりたいと 焦れば焦るほど

ひとりぼっちが迫ってきて いじわるな世界

一人でも平気と 突き放してみるけど

君がいつも通りでほっとしちゃうんだ 世界は優しい

 

たくさん撮ってた写真 指滑らせたら

広がる何でもない 特別な景色

戻れない トンネルの向こうを思うよ

 

決まらない前髪を また風が乱していく

いつまでも私たちきっと 決まることなんてないんだろう

失った魔法のこと 消えてしまった光のこと

愛おしく思っても何も 諦めないで

それでいいよ それでいいの

 

夢のこと恋のこと 悩み事みんなで持ち寄った

あの夏の夜がずっと 胸の奥でキラキラ

 

聞こえなくなった音 もう会えなくなった子のこと

寂しく思っても何も 諦めないで

決まらない前髪を また風が乱していく

いつまでも私たちきっと 留まることなんてないまま

走ろう 風の中を

 

夢のこと、将来のこと、部活のこと、他愛もない日常のこと、学校で話した風景が鮮明によみがえる。あの時の温度、風の冷たさぬるさ、空の色、蛍光灯の灯り、教室の狭さ、感情。当時はなんてことない風景が、今は「胸の奥でキラキラ」している。宝物の時間。

最後のウィンドチャイムの音、時の砂が手のひらから零れ落ちてしまうみたいな音がする。聴くたびに切なく、喉の奥がギュっとする感覚に襲われる。そしてまた青春の宝箱が閉まってしまうのだ。

 

あの頃のおぼこいアイドルネッサンスが、自分が愛しく、抱きしめたい気持ちになる。大切な記憶と繋がっている曲と存在がいてくれて、本当に良かった。

当時のことを思い出したくなった時にそっと開いて、愛しさも切なさも抱きしめて、宝箱の中に閉じ込めさせてくれる存在。

例えこれからどんなアイドルを好きになったとしても、この存在に替えはきかないし、人生の宝物のようなアイドルだと思っている。

ありがとう。これからも、大切。

 

私の人生において、唯一無二のアイドルの話でした。